Laboratory for Particle Properties (Phi-lab)
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各種中性子デバイスの開発



<高計数率検出器の開発>
複合核共鳴を用いたT対称性の破れ探索実験などは、対称性の破れの発見に非常に大きな統計量が必要となる可能性が示唆されています。統計量の確保には、ビームの強度(中性子の個数)を大きくすることで実現できます。しかしながら統計量の多くなった中性子の数を全て数えきるために、高い最大計数率を持つ中性子検出器が必要となります。計数率とは単位時間あたりに数えた個数(cps)であり、検出器の最大計数率はその検出器が数えられる最大の計数率となっています。
我々は複合核共鳴の実験を行うにあたり、高計数率を持つ中性子検出器の開発に取り組んでいます。我々のエネルギー領域で最高の計数率を持つと思われる、LiGlassシンチレータをピクセル化したものと、マルチアノードの光電子増倍管を組み合わせた検出器、LiTA12検出器の計数率の評価を行いました。LiTA12検出器は北海道大学とKEKにより開発された中性子イメージング用の検出器ですが、我々の実験の一部に利用できることがわかってきました。
一方LiTA12検出器は採取的に到達したい計数率には及んでいないため、さらなる高計数率の検出器を新たに開発する必要があります。我々は液体シンチレータに着目し、Cfを中性子源として、中性子の信号を読み取り、開発に必要なデータを収集してきました。今後は具体的なデータ取得システムの形成や、ピクセル化などを行い、高計数率検出器の実現を目指していきます。


<中性子ミラー>
中性子は電荷を持たないため,電磁場などを用いて制御することが荷電粒子と比べて困難です。 そこで中性子を制御するデバイスの一つとして,中性子ミラーというものがあります。 中性子ミラーはNiやTiなどでできたの薄い膜を積層したもので,中性子は積層した物質のポテンシャル によって反射や透過を起こします。実験ではこの反射率や透過率が重要になるのですが反射率や透過率は 入射する中性子のエネルギーや膜の厚さなどによって変化するため,用途に応じて積層する薄膜の厚さ や数を変える必要があります。
現在Φ研では中性子ミラーを作製することができるスパッタリング装置を用いて高性能な中性子ミラー の開発に取り組んでいます。このように私たちは実験で使うデバイスを自分たちで作成する といったことにも力を入れいてます。